DLCで追加された新規シナリオ「新たなる未来」をクリアしました。
ゼノブレイド2の「黄金の国 イーラ」同様にゲーム1本分に匹敵するボリュームでシステム・ムービーが仕上げられていました。
今回で明らかになった本編の謎や設定もあったので、ゲーム内の情報から推察してみます。
ゼノブレイド3本編の考察・感想記事はこちら。
以下、ネタバレあり。
目次(クリックで移動)
明らかになった設定
シティー六氏族
新たなる未来では本編よりはるか昔の出来事として、本編では設定でしか語られなかった6氏族の成り立ちが描かれました。
それぞれマシュー、ナエル、ニコル、カギロイ、シュルク、レックスです。
個人的にこの像のビジュアルはあくまでもファンサービス程度と思っていたので、シュルクとレックスがガッツリ巨神界・アルストから来た本人だったことは驚きでした。
ゼノブレイド3の世界があくまでも仮想世界の(2つの世界の入力データをもとに作られたゲーム)のようなものだと思っていたのですが、新たなる未来はあまりにも「成長したシュルクとレックス」すぎるので仮想世界ではなく現実に生成された世界というのがしっくりきます。
リクの生来
本編でノアたちと共にリク。本編では語られることはありませんでしたが、
新たなる未来でアイオニオン初期からシティーの前身であるリベレイターに協力していたことが判明。さらに、ゼノブレイド1のリキの息子の一人でもありました。
7人目の氏族は像の代わりにウロボロス・ストーンを置いていましたが、恐らく7人目の氏族はリクで、経歴を隠すために関係の深いウロボロス・ストーンを置いたものと推定します。
エヌのシティー襲撃
本編においてエヌはゼットに脅迫を受けるに近い形でシティーを襲撃していましたが、新たなる未来ではこの時の様子が描かれています。
アイオニオンを消そうとするアルファはナエルと同調しシティーの人を取り込んで力を増そうとしており、それを阻止するためにエヌはアルファとシティーの人を消そうとしたのでした。
これによってシティーは壊滅し、残された人も散り散りになった・・・というのが新たなる未来の冒頭です。
ただ本編の氏族像では「ウロボロスの力を覚醒させたヴァンダム家の始祖がエヌを退けた」と記載されており、DLCの描写とは矛盾があります。
考えられるのは、
・この時ゴンドウがウロボロスパワーを放出してエヌと自爆したことがマシューの逸話として後世に語られた
・シティー襲撃は何度もあり、マシューがエヌを退けたのは新たなる未来エピローグ後の出来事
の2パターンかなと思いますが、新たなる未来でも襲撃後のエヌを悲しげに見つめるエムが描写されており、流石に同じことを何度も許容するとは考えられにくいので後者より前者のほうが可能性が高そう。
トリニティ・プロセッサーとシュルク・レックスの行方
本編でもメリアやニアによって2つの世界が融合したことは語られましたが、この場合にレックスやシュルクがどうなったかは名言されていませんでしたが、今作はまさにこの二人が3にどう関わったのかが示されています。
新たなる未来の冒頭、融合の際にオリジンに取り込まれずに済んだ2人はゼットと共に世界を消そうとするウーシア=アルファに戦いを挑み、犠牲を払いながらも損傷を追わせました。
そこから新たなる未来でナエルを取りこもうとしたアルファはマシューたちに倒されましたが、アルファが無くなるとアイオニオンという世界は自動的に消滅してしまうとのこと。
シュルク・レックスは世界を支えるため、命をニコル・カギロイへと託してアルファの片割れであるエイと共にオリジンと同化したのでした。
また、アルファとの決戦では残るトリニティ・プロセッサーを示唆する演出もありました。
7人がウロボロス巨人になるときのエヌ・マシューのやりとりで、エヌのブレイドにはロゴスを示す紫が、マシューのブレイドにはプネウマを表す緑が強調されています。
この直前のレックスの『”二人”がいてくれてりゃあ』という発言はホムラ・ヒカリを思い起こしますが、上記を踏まえるとメツ(ロゴス)とプネウマを指していると考えられます。
それぞれエヌのブレイド、マシューのブレイド(後にノアのブレイドになる)にプロセッサー・コアの力が宿っており、3本編のいくつもの奇跡が起こされた・・・ということでしょう。
色濃く残るゼノブレイド1・2の名所
本編ではオリジンの落下によって崩壊したアイオニオン中央部。本編でもいくつかありましたが、巨神界・アルストの名所がかなり多く、印象的なマップがほぼそのまま再現されていました。
うろ覚えな箇所も多かったですが、シュルクやレックスが懐かしむ場面が非常に多くて厚いファンサービスでした。ゼノブレイド1・2との関連性を最初から明らかに出せるDLCだからというのもありそうですね。
残された謎
新たに生じた疑問は「なぜレックス・シュルクは寿命で死んでいないのか?」という点です。
描写を見る限りアイオニオンが発生した最初の時から彼らはいたはずなのですが、少なくとも「新たなる未来」はアイオニオン発生から数百年が経過しています(エヌがノアになる前に数回転生している)。
本人たちの容姿が若々しいことからも、何らかの要因で老化しなくなっていると考えられますが・・・特に語られることはありませんでした。
また、新たなる未来は本編で重要な設定である『ウロボロス同士によるインタリンク』『おくりびと』ができる前の話なのですが、結局それらが本編で扱われるに至るエピソードがなかったのは少し残念でした。
将来的にインタリンクやおくりに繋がるであろう事柄は示唆されますが、あくまでも示唆に留まっています。せっかくの格が高いキャラが揃っているので、なぜケヴェスとアグヌスで記憶を共有して合体する必要があるのか判明したり、始祖たちのおかげでおくりが定着した!というようなエピソードが欲しかったのは正直な所。
各キャラクター感想
執政官エヌ
本編でネタキャラとしての印象が定着したおかげで出てくるだけで面白い男となったエヌ。DLCではアイオニオンを維持したいゼットのパシリとしてアルファと敵対したり、マシューの祖父であるとともに自らの息子でもあるゴンドウの仇としてマシューと戦います。
ナエル(アルファ)との初戦でパーティを助けるかたちでアルファを退けてエヌ操作パートを期待させた直後になぜかエヌ戦が始まったり、本編同様ムダに格好つけた未練タラタラのセリフ回しといった特有の面白さは健在。
オリジン前のマシューとの戦いではウロボロスパワーのぶつかり合いの余波によってオリジンの記憶がパーティに共有されてしまい、身内であるナエルやゴンドウは積極的に殺そうとはせず意外と甘いことや、ゴンドウを事故のような形で殺してしまったことをパーティ全員に暴露されてしまい、マシューにも呆れられてしまいます。
最終的にはアルファを倒すためにマシューと力を合わせ、パーティ全員+ナエル+エヌでのインタリンクを実現させます。
このDLCの後の本編で悪趣味極まりないノア煽りをしたり脳破壊されたりするのを考えると更に面白い。
マシュー
本作の主人公。シリーズ主人公であるシュルク・レックスがいる中において埋もれず、気前のよさで格を張り合うというのは意外で好感が持てました。
ケヴェスとアグヌスが戦うのを見過ごせずに介入するとか、謎が多いエイのことを微塵も疑わなかったり、シティーの頼れる兄貴分として存在感をアピールしていましたね。
ただやっぱり、前の記事でも触れていましたがゼノギアスのフェイを思わせる風貌・戦い方をしている以上、もうちょっとゼノギアス要素があった方が嬉しかったですね。
特にインタリンク体でゼノギアスやヴェルトールオマージュが出てくるかと期待していたので、本編ラストの7人ウロボロスが特にそういうのもなくてちょっと肩透かしでした。
エイ
TSアルヴィース。マシューとは親子のようないいコンビでした。
トリニティプロセッサ:ウーシアのうちシュルクたちとの記憶が独立した部分とのこと。
モナドを使っていますが、ロールはサポート役ヒーラーとしてなのがギャップがあって面白いですね。
アルファとエヌとの衝突によって良心であるエイがアルファから弾きだされたので、この点でエヌはMVPとも言えますね。
シュルク/レックス
少年だったレックスはムキムキの無頼漢に。元々甲斐性の擬人化のような男だったので成長したらこうなるのはさもありなん。
ホムラとヒカリの剣にかつてのメツを思い起こさせる”小僧”呼びのファンサービスマシマシで、戦闘での強さと相まってあっという間にパーティをレックス一色に染め上げられました。マシューがもうちょっとでも頼りなかったら完全に食われていましたね。
シュルクも正当に成長しており、持ち前の冷静さ・リーダーシップでリベレイターとパーティを支えます。
戦闘ではダンバンさんの役割を引き継いだかのように片腕でモナドREXを振り回し、回避タンクとして活躍。
本作ではどちらも「子の成長を見守る親」としての側面が色濃く描写されており、前作主人公としての格を出しつつ下の世代を立てるシーンが多かったのはよかったですね。1・2本編への言及も多く、シリーズをプレイしていてよかったと思います。
ニコル/カギロイ
それぞれケヴェスとアグヌスの兵士から、マシューのウロボロスパワーによって開放される形で加入。
それぞれオリジンに取り込まれたであろうシュルク・レックスの子供の再生体と思われます。
ニコルはシュルク、カギロイはヒカリの性格をかなり強く引き継いでいましたね。
ただ、パーティの他4人の格が大きすぎるせいで相対的に霞んでしまった感じが正直否めません。さすがに仕方がないところではありますが・・・
私のように開放セットを後回しにしたせいで終盤のシュルク・レックス戦で苦戦した人も多いハズ。
まとめ
今作は3本編の前日譚でありながら、1・2とのつながりを明示するシナリオでした。
ゼノブレイドシリーズすべてのネタを本編・サブシナリオに散りばめつつ、ラストにはゼノサーガやゼノブレイドで出てきた単語を出したりとシリーズの繋がりと広がりを両方見せるようなエピソードでした。
今回はここまで。読んでいただきありがとうございました。